琉球古武道

琉球古武道とは

琉球古武道とは

琉球古武道とは、棒、釵、ヌンチャクやトンファーなどを使って型を修練する、沖縄古来の武器術です。これらの武器は、もともとは日用品や農耕具などに由来しますが、先人達の工夫と努力によって、攻防が一体した実践的な武器となっています。

人を斬る目的のために極限までとぎすまされた日本刀が美術品としての美しさをもつように、また実用品の最たるものである工業製品にもある種の実用美があるように、琉球古武道の武器術にも、洗練された美しさがあります。その美しさは、全ての型や動きが、長い年月をかけて磨かれた合理的な法則にのっとり、身体操作を極め尽くしたからと言えます。

この法則は古来武道の達人が、或は師伝により、或は自らの苦心修練の結果、身をもって感得したものです。

そこでこれらの先人は苦心修練の間に、発見或は体得した攻防の効果的法則を記憶に便利なように、また修練に容易ならしめるために、それぞれ型を案出し、その型に基づき修練し、この道の研鑽をつんだ者によって伝承され今日に至ったのです。
かようにして案出され伝承された型でありますから、型を仔細に研究すると、攻防の技が実に巧妙に組み合わされ、今更ながら先人の苦心の程が偲ばれるのであります。

従って修練に当たってこれら先人の苦心の末案出されたその型の意義を理解し、注意深く冷静沈着に礼を失わないよう留意する事は勿論、常に敵が相対峙している心構えで仮想敵を頭に描き真剣に行わなければならない。そして単に型を知るだけではなく、型に含まれている攻防の技を修得し、その応用変化を研究して、如何なる攻撃にたいしても対処し得るよう反復鍛錬しなければなりません。
なお、型は以上の如き精神的武術的意義のみではなく、その組み合わせが生理学的に考案されているので、全身運動としても効果があり、からだ全体の均整をととのえると共に動作の敏捷性がますのであります。更に一人で練習を行なうことができるので無理する事がなく、老幼男女年令を問わず容易に練習する事が出来ますので、体育としても理想的な意義と価値をもっているのであります。

(2011年9月16日更新)